端唄篇(1972年)

CMエピソード

マッチ売りの少女篇/端唄篇

 

『マッチ売りの少女篇』は、誰もが知ってる有名なアンデルセン童話のパロディー。原作は悲しいお話だが、CMでは桃屋らしくユーモア溢れる内容にしてみた。視聴者から、「純真な子供向けの童話を茶化すとは何事か!」なんて苦情がきたりもしたが、あくまでもパロディーだし、冗談の通じない人のお小言は気にもしなかったね。

昔「梅びしお」といって梅肉を甘く煮た梅ジャムがあったけど、もっと大人好みの味を作りたいと思って、紀州の肉厚の梅干しに昆布・鰹節・しその実を入れてできたのが「梅ごのみ」。CMでは湯上がりのお姉さんが端唄を口ずさむ『端唄篇』とした。これはのり平さんが得意とするシチュエーションさ。今の人には、銭湯から色っぽいお姉さんが出てくるなんて風情は伝わらないかな。最後にお姉さんが男の本性を出しちゃうってのは、録音の時にのり平さんが思い付いたアイデア。面白いんで、すぐそれを採用したんだよ。