(土・日・祝日を除く)9:00 ~ 17:30
のり平アニメのすべてを見てきた小出孝之だけが知っている!?
スタジオで川柳の句会がはじまる
のり平さんのアニメCMで、収録に時間が掛かっただけでなく、原稿を一からつくり直した思い出があります。「江戸むらさきごはんですよ!」の川柳篇です(1981年)。30秒のCMに5本の川柳を入れるもので、川柳の後に「ごはんですよ!」の商品名がひねりとなる作品でした。
ところが、のり平さんは、最初に原稿を読んで、「面白くない」と言い出しました。面白くないと言ったって、制作スタッフが充分吟味したものだし、私もそれにOKを出していましたから、ああそうですかと言う訳にはいきません。もっと、面白いものが出来ればいいですが、そう簡単にはいきませんよと言うと、のり平さんは、収録スタジオで川柳を考え出しちゃった(笑)。スタジオの予約時間はどんどん過ぎるし、のり平さんは、腕組みして川柳を考えるばかり。そこで、私も製作スタッフも、みなで新しい川柳を考えだしました。スタジオが川柳の句会の場になったようでした。
「午前様 角といっしょに茶漬け出し」「受験生 夜食の時間も共通一時」「長電話 聞こえるように 邪魔をする」など、結局みんなが頭をひねって5本とも新たにつくりだしました。
全部、その場でつくったものがよかったというよりは、1本変えると、バランスをとるため、そのほかの川柳も変えざるを得なくなったのでしょうね。いまとなっては、最初につくった川柳がどんなものかも忘れてしまいました。
でも、放映したCMの評判がよくてほっとしたことを覚えています。どれだったか忘れましたが、私がつくったものも確か1句入っているはずです。
※本インタビューは、2004年3月16日に収録したものです。